ジュゴンの家・日誌
「ジュゴンの家」の賛助会員、募集中
「ジュゴンの家」は沖縄・名護にあるリサイクルショップです!!お店を開けつつ、「基地建設をとめたい!!」という思いで、日々行動しています。
「ジュゴンの家」では「ジュゴンの家」を支えてくださる賛助会員を募集しています。
「力になろう!」という皆さま!!
ぜひ、賛助会員になってください!!よろしくお願いします!
会員申し込みは・・・FAXまたはメールでお知らせください。
  電話&FAX 0980−54−2948 
   e−mail   dugonghouse_in_okinawa@yahoo.co.jp
会費・・・月1000円、年10.000円となります
同基金への協力は 
●琉球銀行 普通口座 名護支店
 口 座 番 号   23−130
 口 座 名  西 陽子 まで

よろしくお願いいたします

1月Dへ 日誌indexに戻る 2月@へ

1月E
参加者募集!!!
阻止船に乗る人、海上のやぐらおよびテントで座り込みする人が必要です!!!
少ない時間でも、行動できる人は集まってください!!
あなたが行動することで現場の状況は変わる・・・・!!
どうか、よろしくお願いします!!
辺野古に来てください!!!
冬を迎え海の上はだんだん寒くなってきています。普通の衣服では、濡れて風に当たっているとかなり寒いということです。
海上行動用のダイビングスーツも募集しています。使わない物があれば、是非ジュゴンの家の住所まで送って来てください!!お願いします・・・!!

海上調査阻止行動のための緊急カンパのお願い!!
現在、辺野古ではボーリング調査を阻止するための阻止行動が行なわれています。とりわけ「海上調査阻止行動」が重要になっています。リーフ外での防衛施設局の調査を阻止するための行動船を調達するための資金が圧倒的に不足しています。

 今すぐに数100万円の資金が必要です。全国の皆さんに緊急カンパをお願いしたいと思います。皆さん応援をよろしくお願いします!!

 カンパを振り込まれる際は、下記の口座にお願いします。(このカンパのお願いは「ジュゴンの家」が、「命を守る会」を応援する気持ちで独自でやっています。振り込まれたお金は、辺野古でのボーリング調査阻止行動のために使われます。)
●郵便局 17040−14225611  西 陽子 

国会前座り込みホームページヘ!!

辺野古より緊急連絡!!!
平和市民連絡会の平良夏芽です。
12月10日午前、辺野古沖のやぐらで反対派男性が作業員に突き落とされ、
パイプに後頭部を強打し気絶して救急車で搬送されました。
被害者は意識を取り戻し、
大事には至らなかったようですが24時間の経過観察という段階です。
しかし、那覇防衛施設局は すぐ近くで見ていて、
救助指示も出さず傍観していました。
被害者が気を失って 流れに流されていくのを傍観したのです。
しかも、本人が自分で落ちたと言い張っています。  
現場では、施設局に雇われた業者を「敵」としないように努力してきましたが限界です。
3人目のけが人が出て、しかも三人目が気を失って救急搬送されるに至っては、
全国に呼びかけて業者にも抗議をしていただく必要があると判断しました。
以下に業者の名前、住所、電話番号を記します。
想いのある方は、抗議の電話を入れてください。
サンコーコンサルタント  東京都江東区亀戸一丁目8−9号
                電話03-3683-7111
                FAX03-3683-6264
同沖縄事務所       浦添市牧港1-62-19
                電話098-875-6181

那覇防衛施設局は、抗議の電話を弁護士がしている途中、
15分ほどで一方的に電話を切りました。

   ボーリング用のやぐらが珊瑚を破壊・・・!!
海底に潜った夏芽さんたちが撮影した写真が見られます!!
ここをクリック!!

1月31日(月)

座り込み288日目
今日もしゅっぱーつ 第3ポイントの日の出 ボートを単管に結ぶ
海人に教えてもらった
ロープワークを実践する、
M&M’s
(マコちゃんとマシュポ)
博士!未知の生物を
捕まえました!!
・・・などの工程を経て完成。
←昼前、施設局の作業船が来る→
←警戒するみんな            

          悪そうな二人2人→
結局赤い旗を交換するだけ 単管でタンカンを食べるマシュポ 第3ポイントではタバコをエサに
こんな大物が釣れます
アンカーを取りに一泳ぎ 帰るとジャガイモがありました 北海道の新鮮なジャガイモ。
とってもおいしかった!
ジュゴンの家日誌
とみしょうやからマシュポの小袋が届く 早速あけてみると、かっこいドクロが
光る、パンキッシュな小袋が!!
料理をする3人
本日のディナー
サラダ もずく 鳥団子鍋
サラダ越しの世界。
サラダの視点で世界を見ると
いつもとは違ったものが見えてくる。
あなたには何が見えましたか?
写真ではいつも不機嫌そう
ですが、本人はいつも
ゴキゲンです。
超人的速さで
鳥団子をとるあやちゃん
新たな収納を買い、荷物の整理をする 俺たちだって負けてないぜ!
お金がなければ頭を使えばいいさぁ
ドラ○もん  さおりちゃん
琉球新報 2005年1月31日 月 14:15

米軍再編で県素案一部修正へ 県外、国外移転を確認

 米軍再編に伴う日米協議に反映させることを目的とした、在沖米軍基地の負担軽減策の考え方について、県は31日、当初の素案を一部修正する作業に入った。午後にも事務方と三役の調整会議を開き、内容を討議する。早ければ今週中、遅くとも2月定例県議会の開会前の10日ごろまでに県案を確定させ、稲嶺恵一知事が最も効果的な時期を判断し日米両政府に提示する方針だ。

 基地対策室が作成した修正に向けた案は、住民生活への負担が大きい海兵隊基地を中心に演習や訓練、兵力の県外・国外への移転を軸にすることを確認。「限られた時間内での米軍再編の日米協議に反映させるインパクト」(県幹部)を考慮し、対象の基地を絞り込む方向。当初の素案から、負担軽減の優先度に応じて、全基地を「A」「B」「C」の3段階で評価したランク付けを削除することが確定している。

 意見聴取した基地所在市町村長などの意向を反映させ、民間地域に近いキャンプ・ハンセンや、キャンプ・シュワブの演習場の廃止などを要求。住民生活への影響の度合いを重視している。

 イラク派遣中の海兵隊の航空部隊など、演習や訓練を県外で実施している部隊については、県外への移駐を図る方針を掲げ、最大懸案の普天間飛行場の部隊や兵力の県外移駐を求める姿勢は堅持している。

 県は昨年末、米軍再編に伴う在沖米軍の負担軽減を求める県案のたたき台となる素案を作成。騒音や演習被害への不安など、基地負担の実態に応じたデータを集積したが、三役らの指示で、基地交付金の額など、財政・経済面への影響も加味したデータを作成し、素案の修正作業に反映させる。

沖縄タイムス <2005年1月31日 朝刊 1・2面>

軍港と行革争点に/浦添市長選・2005.02.06
西平・儀間・比嘉氏が立候補

 任期満了に伴う浦添市長選挙は三十日告示され、無所属新人で浦添革新懇談会事務局長の西平守伸氏(54)=共産推薦、無所属で現職の儀間光男氏(61)=自民、公明推薦、無所属新人で元法政大学沖縄文化研究所所長の比嘉実氏(61)が立候補を届け出た。二月六日の投票日まで三つどもえの選挙戦が始まった。

 那覇軍港の浦添移設や行財政改革の手法などが争点。各陣営は鍵を握る浮動票獲得に向け、政策浸透に全力を挙げる。

 三候補は三十日午前、市内の選対事務所で出陣式、出発式を開いた。支持者の前で第一声を放った後、選挙カーに乗り込み、街頭へ繰り出した。

 三候補の中で唯一、軍港反対を掲げる西平氏は「軍港(移設)を中心とした西海岸開発は無駄の多い政策。見直して市民の暮らしに生かす財源にしたい」と訴えた。共産党関係者らが応援に駆け付けた。

 儀間氏は実績を強調した上で「高齢化社会に対応するため、生産者世代の雇用、所得を安定させることが課題。西海岸開発で企業を集積、働く場を創出する」と決意。出陣式には自民、公明、企業関係者が参加した。

 三度目の立候補となる比嘉氏は「若い人の就職のため、西海岸開発や基地の一部返還で観光客が集まる場所をつくる。四年間の市政を任せてほしい」と力説。女性やお年寄りなど、支持者が拍手、声援で応えた。

 市議選も同日告示され、三十三人(定数三〇)が届け出た。

     ◇     ◇     ◇     

3候補が第一声

 三十日告示された浦添市市長選に立候補を届け出た西平守伸氏、儀間光男氏、比嘉実氏は市内で出陣式、出発式を開き、支持者の前で政策や公約を訴え、支持拡大を呼び掛けた。各陣営では国会議員や県議、市民らが応援演説した。市長選、市議選の期日前、不在者投票は三十一日から二月五日まで、市役所(市議会棟)一階の選挙管理委員会で行われる。時間は午前八時半から午後八時。


西平守伸候補
新軍港建設を許さない

 私は新軍港の建設を許さない唯一の候補。宜野湾市でのヘリ墜落事故抗議集会で、小学生が壇上に立ち基地をなくすよう訴えなければならない。これが今の沖縄の現実なんだと痛感した。軍港受け入れを、県民、大人として言っていいはずがない。軍港受け入れを表明している市政は介護保険料、保育料、健康保険税、下水道料金の値上げなど、市民にとって冷たい市政ではなかったか。

 私は市民第一の市政運営をしたい。高すぎる健康保険税は一般財源からの繰り入れで値下げし、子供の医療費は小学校前までの無料化に努める。軍港を中心とした西海岸開発は、無駄の多い政策だ。見直して、市民の暮らしに生かす財源に。キャンプ・キンザーを早期に返還させ、雇用を地元で起こせる浦添市に私と一緒にしていこう。

応援弁士
政治の流れ二つ

 赤嶺政賢・共産党県委員長 候補者は三人だが、政治の流れは二つ。米国の戦争に加担する基地を受け入れて箱物建設や大型開発をするか、市民の福祉や教育、暮らしを守る地方自治本来の仕事を貫いていくか。市民の立場に立った候補者は西平候補ただ一人だ。

暮らし守る自治

 新垣繁信・沖縄革新懇談会代表委員 消費税を増税しようと自民党、公明党、民主党も含めて論議している。こういうとき地方自治体として市民の暮らしを守っていくのが政治の役割。市民が主人公の浦添市をつくっていくため、西平さんを先頭に頑張り抜いていく。


儀間光男候補
西海岸開発で雇用創出

 浦添市民の平均年齢は三十五歳余りで、毎年千六百人の新生児が生まれる進化途中の若い市。次代を担う子どもたちの健全育成を重点課題にし、父母らと協力し市を挙げて子育てを支援する。

 資金が掛かる子育てに励む親世代を支えるためにも、安定的な雇用と所得を生み出す西海岸の開発が必要だ。西海岸は那覇港湾区域内にあり、港湾ふ頭の建設が予定される条件を生かし、さまざまなジャンルの企業を集積させ、多くの働く場を創出させる。安定的な所得で、安心して子を育てるシステムづくりを求めていく。

 急速に進む高齢化社会に対応するためにも、生産者世代の雇用、所得を安定化させることが二期目の重要な政策課題になる。那覇市や県と連携し、市政・県政の発展に尽くしたい。

応援弁士
沖縄の将来左右

 嘉数知賢・自民党県連会長 浦添市だけではなく、沖縄の将来を左右する選挙で、ぜひ勝たなければいけない。浦添市と那覇市がしっかりスクラムを組んで、稲嶺恵一知事を支えていくのが重要だ。勝利を確実にするために気を引き締め、最後まで精いっぱい戦おう。

勝利の鐘鳴らす

 糸洲朝則・公明党県本代表 告示日を迎え、怒とうのごとく出陣していく。市議選とのセット戦術による相乗効果で支援の輪を広げることが勝利を確かなものにする。目の前の課題を一つ一つ乗り越え、残された一週間の選挙戦を戦い抜き、勝利の鐘を鳴らそう。


比嘉実候補
観光客が集まる場所に

 出馬できるか経済的にも精神的にも苦しかったが友人や市民から「浦添のため、沖縄のためにもう一度がんばれ」と激励をいただき、立候補を決意した。今は、ぬくもりのある豊かな美しい街づくりと相いれない行政運営がなされている。

 全市民に行政の恩恵が行きわたらないといけないが、市産業振興センター・結の街や市民会館の維持費は毎年五億円かかり、このままでは必ず財政破たんする。政策批判を強く選挙戦で訴える。

 若い人の就職難のため、西海岸の開発や、米軍基地の一部返還で観光客が集まる場所をつくる。財源を増やす努力をしないと市民サービスは十分できない。モノレールの延長にも声を上げ、国への要請にも参加する。活力ある浦添か、財政破たんを招く運営か、四年間の市政を任せてほしい。

応援弁士
手作りで勝利を

 粟国彰選対副本部長 今回、また三つどもえになった。しかし、相手候補二人は最初から政党や団体に依存している。われわれは市内各地のボランティアなどの手作り選挙。貧乏ながらも、お母さんの愛情が込もった手作り料理でがんばっている。勝利は間違いない。

市民が一致団結

 東江政子女性部長 市民が一致団結して立ち上がった。一人ひとりの真心と情けは天に届き、大きな新しい風が持ち上げてくれると信じている。兄が残した市政運営を務めたいと九年目。ミカンの木も九年目には実をつける。当選に向かって全力を尽くそう。





1月30日(日)

ジュゴンの家日誌
この土日は名護で桜祭りが行われました。屋台が並び、人であふれてます。桜はまだ2分、3分咲き??ですが・・・。 まわる〜まわるよ時代はまわる♪ がじゅまるの前で大道芸始まる。
今日の夕ご飯 植物博士作の葉っぱ 葉っぱに包んでいただきました
たーくさんいただいたのでサラダも こちらは宜野座の海人からもらったもずく。絶品!! 続いてもずく味噌汁。海人さんご馳走様でした!!
晋くん日誌
阻止行動日誌285日目。今日も完全に阻止。

1月28日(金)
日誌の阻止行動日誌の日付は今日で285日目です。間違っていました。
・防衛施設局による違法な強行調査に対して阻止行動行ないました。

午前7時、今日もイソイソと身支度を整えて海上へと出て行きます。
午前9時前には辺野古漁港より作業船が出港。
4つのヤグラには反対協、東村、国頭、宜野座、金武、石川の漁民達の阻止船が集まり、作業を絶対に阻止する状況を作り出しています。

私は第四のヤグラを守っていました。

・第一では。
午前中にパシィフィックコンサルタントの作業船4隻が近づき、「安全灯の点検だけ」とのことで作業員一人がヤグラに上がりかえっていきました。帰り際に「向こう(第三)のヤグラは午後に足場板を敷く作業を行なう」と宣言していきました。
緊張が高まる。
昨日、第三ではパシィフィックが足場板を敷く作業を強行しようとし座り込みの人々と海人の阻止行動によって完全に作業を止められています。
防衛施設局はこの間に交渉もせずに作業を行なうことについて「作業台船が来た時のあんた達の態度を見て信頼関係はなくなった」と現場で話している。作業台船を辺野古海上に突入させることがいかに理不尽なことなのかその認識さえもしていないのかと憤りを感じます。
8年間説明もせずに、テント村にて「説明をする」との約束も踏みにじり、8割の県民の反対の声を無視し、作業台船を突入させる人達が「信頼関係」などと言えてしまうことも怒りを禁じえません。

・第二ヤグラでは。
午前、午後共にサンコーコンサルタントから「腐りかけているパイプ2本の交換の作業をしたい」との申し出がありましたが、ボーリングのためのヤグラのパイプが1つでも減ることは望みますが維持するための交換などは絶対に認められないとして拒否し続けています。それはどのヤグラも変わりません。
私達はヤグラを維持するためにいるのではない。基地建設をするためのボーリング調査を拒否しているのです。

・第三のヤグラでは。
午前中にパシィフィックの作業船が近づき、「安全灯の点検だけ」ということで作業員が一人ヤグラに乗り移り点検をして午前は引きあげていきました。
第一の交渉で「午後は足場板を敷く作業をする」としていたため第三のヤグラは緊張感に包まれていました。
お昼になると座り込みに団体で来ていた人々が60人余りヤグラに上ってくれることになり、第三のヤグラにはなんと14人もの人達が上っていました。
阻止船も4隻になり、「いくらなんでもヤグラにダイバーが昇ることさえ出来ない」状況になりました。
午後に入り、第三のヤグラにパシィフィックが近づいたものの昇ることは出来ず、30分ほど周りをウロウロした後に引きあげていきました。

・第四のヤグラでは。
第四のヤグラではサンコーコンサルタントの作業船3隻と防衛施設局が来るものの写真撮影を周りで行なうだけで何もせずに午前、午後共にかえって行きました。
お昼はモズクの養殖をやっている海人達と第四のヤグラの周りを泳いで調査!?。アジケー(シャコガイ)や白ひげウニがものすごい数で生息していることを知りました。
海の中は不思議です。海上では作業をするか否かの状況が続き、緊張が続いていますが、海の中ではピタッと時間が止まったようにも感じます。
「一度、潜ったら止められなくなるよぉ」と海人に言われましたが、その通り。海から陸に上がりたくなくなります。
ウニを1つだけ拝借して割ってみました。まだ時期じゃないということでしたが、色もよく食べられるものでした。やぐらの上の人達と一すくいずついただきました。グワッチーサビタン。
海のプロである海人達に失礼ですが、見ていて惚れ惚れするほど泳ぐ姿がきれいです。海に逆らわずに一緒に生きているというのが伝わってきました。

今日も完全に作業を止めています!!
2月が始まろうとしています。座り込みも2月12日で300日を迎えます。長い闘いですが、確実に一つ一つ積み上げてきています。そして何よりもまだ一本のくい打ちも許していません。私達は勝ち続けています。これからもその状況を続けるためには全国の皆様の力が必要です。これからもよろしくです。
琉球新報 2005年1月30日 日 11:16

ジュゴン保護区実現へ ハインズ博士招きシンポ

ジュゴンなど海の生物を守る保護区について議論した(左から)エレン・ハインズさん、吉田正人さん、東恩納琢磨さん=29日、名護市役所久志支所

 【名護】国の天然記念物ジュゴンの保護区制定を目指して、米国保全生物学会海洋生物グループ理事で州立サンフランシスコ大学助教授のエレン・ハインズ博士を招いたシンポジウムが29日、名護市役所久志支所で開かれた。ハインズさんはジュゴンを含めた沿岸海域の水産資源保護について講演し、住民が参加して保護計画を立てる重要性を強調した。

 会場には約100人が参加。ハインズさんは「魚やジュゴンなどの海洋資源は、世界中で乱獲や開発によって減っている」とし、過剰採取を規制して資源を守る保護区の取り組みを紹介した。

 保護区の計画立案への継続的、科学的な調査や長期的な視野の重要性を挙げながら、「数ある保護区で、失敗しているのは住民不在だった所。実際に保護区を支えるのは地域の住民だ。計画は地域の意思に基づかなければならない」と住民参加の重要性を強調した。

 そのための教育や情報公開が不可欠とし「タイやフィリピンでは、地域住民への教育活動を重ねて、海の環境を守れば漁獲高も増えるということが理解された」と話した。

 ハインズさんは観光、漁業、保護など、異なる要求を同時に満たすために、規制の内容を区域によって変える「ゾーニング」の考えを紹介したほか、「資金や人材の不足が原因となる失敗例もある。国の関与、法律に基づく長期的な資金提供も非常に重要」と続け、「辺野古でも強い意志をもって取り組む人たちがいれば、保護区は実現するだろう」と話した。

 シンポでは名護市で海草藻場の調査を続けている日本自然保護協会の吉田正人理事、フィリピンの保護区を視察したジュゴン保護基金委員会の東恩納琢磨事務局長らが活動を報告して「藻場などを保護することで水産資源全体を守れる」などと主張。会場と活発な質疑応答をして議論を深めた。

 東恩納さんは後世に自然を残すための自主ルールを定めた「保護区宣言」も提案し、「政府の対応を待っていられない。漁民とも協力して自主的な取り組みで地域の持続的な発展を」と参加者に訴えた。

沖縄タイムス
<2005年1月30日 朝刊 21面>

ジュゴン保護区県知事に提起へ/米の研究者招きシンポ

 ジュゴンの生息環境をどう守るかを考える「ジュゴンシンポジウム」が二十九日、名護市久志支所で開かれた。サンフランシスコ州立大学助教授のエレン・ハインズ博士を講師に、住民主体の実効性ある保護計画づくりを模索した。シンポを主催したジュゴン保護基金委員会から、自然保護管理の自主ルールを盛り込み、県知事へ保護区設定を求める宣言案が提案された。

 ハインズ博士はジュゴン保護計画づくりは住民参加と長期的な視点、状況の変化に対応する柔軟性などが大事と強調。米軍普天間飛行場代替施設の建設予定地である市辺野古での保護区設定については、実現の可能性を示唆しつつ「地域の人たちの声が日本政府まで届くようにすることが必要」とした。

 名護市東海岸でジュゴンの食草の調査を続ける日本自然保護協会の吉田正人理事は「魚やエビなど海産物の揺りかごの藻場をみんなで守る仕組みづくりがジュゴン保護につながる」と指摘。

 ジュゴン保護基金委員会の東恩納琢磨事務局長は今月、保護区のあるフィリピンを視察した際「NGOと漁師が水産資源を守る立場で、一緒に具体的な保護策をつくっていた」と報告。提案したジュゴン保護区宣言について「久志地域の十三集落の人々に提案、議論して実現に近づけたい」と述べた。

<2005年1月30日 朝刊 1面>

訓練移転、比が受諾方針
実務者で来月初旬/在沖基地、新展開も

 国際テロ対策などをテーマにした日本とフィリピンの防衛実務者会合が二月初旬に東京で開催されることが二十九日、分かった。沖縄の基地負担軽減を目指す日本に対し、比側は在沖米海兵隊の訓練受け入れ拡大を伝え、テロ対策の国際協力を求めるものとみられる。米軍はフィリピンでの共同演習を活発化させる方針を示しており、日比協議の進展によっては、米軍再編の中で沖縄の基地負担軽減を絡めた日米比三国間による防衛協力の新たな枠組みが生まれる可能性も出てくる。

 米軍再編で米側は在沖米海兵隊一部の本土移転と訓練の国外分散を検討している。訓練移転先とされるフィリピンの防衛当局者が日比防衛会合の場で、受け入れの意向を日本側へ伝える初の機会となる。

 米軍再編の日米外交・防衛首脳会談(2プラス2)の三月二十一日開催が決まっており、その前に在沖海兵隊の訓練移転をめぐる日比会合が実現する意味合いは大きい。米比間は昨年十二月にクルス比国防長官がファーゴ米太平洋軍司令官と共同訓練拡充で合意した。

 海兵隊の訓練移転に向け数年来、比国防省と水面下で交渉を進めてきた下地幹郎元衆院議員が今月二十五日、マニラで同省高官と面談し、日比防衛会合の開催を確認した。下地氏は米海兵隊司令部へも訓練移転を積極的に働き掛けてきた。

 訓練分散による沖縄の負担軽減、比国の受け入れ表明と貧困対策といった諸要素が絡み合う中で、三国が利害一致をみるかどうかがポイントとなりそうだ。

 イスラム教過激派のテロ攻撃に苦慮するフィリピンは、米軍との共同演習で自国軍の対テロ戦闘能力の向上を図る方針。ルソン島中部に国家訓練センターを整備し、米軍をはじめ東南アジア各国の訓練を受け入れるプロジェクトを進めている。

 地域の貧困問題が国際テロの温床となるとされており、フィリピン側としては米海兵隊の訓練受け入れと同時に、日本の経済支援を引き出すきっかけにしたいとの思惑もありそうだ。



1月29日(土)
座り込み286日目
作業は休み。冬晴れの空の下、陸でゆっくり座り込みです。 基地移設反対を訴えて、那覇まで縦断したサバニが帰ってきました。
白い船体には、辺野古への思いがたっくさんつづられています。
差し入れのサトウキビをみんなでカジる。 甘!  こっちは写真をめくったり
海人直伝のロープワークに初挑戦!
上出来でしょ?
 たまには筋トレもしとかないとね!  話をしながらのんびり歩きます。
辺野古界隈でしか買えないTシャツ。
買ったばかりで嬉しそうなA嬢。
新作!ハガキTシャツ。1966年に発行されたジュゴン切手が印刷されてます。書き込みはご自由に。
↑には稲嶺知事宛てで「あきらめましょう」と書いてみました。
(葉書としては使えません。)
 金網の向こうの米兵。
  そっちも休日?
今夜はジュゴンシンポジウム。「自然という財産は、誰もが近づくことができるだけに、失いやすい資源でもあります。地域住民、NGOなどの団体、事業主、地元漁師、行政などの人的協力、資金面の協力と、共通認識が持てる体制を確立することが大切です」とヘレンさん(左から2番目) 辺野古で暮らし8年間基地建設を止めてきた女性、辺野古の海への思いと、国や施設局には絶対負けない!という気持ちがにじむ。
ジュゴンの家日誌 セクシー小悪魔襲来 !
QAB琉球朝日放送

2005年 01月29日(土曜日 夕)

News Photo

訪米議員団 辺野古ヘリ基地中止を直訴へ

アメリカ軍の再編計画が進められているこの機会にあさってからアメリカを訪れる県選出の国会議員らが、普天間基地の早期返還と辺野古への建設中止を実現させたいと意欲を見せました。

アメリカを訪れるのは社民党の東門衆議院議員や糸数参議院議員、野党の県議会議員など10人です。要請は、あさってから5日間の日程で、国務省や国防総省ではそれぞれの日本担当部長に沖縄の基地被害の現状などを説明、その上で、現在アメリカが進めている基地再編計画の中で、特に普天間基地の早期返還と辺野古への新たな基地建設の中止を要請することにしています。

また、有力のシンクタンクの代表や議員との面談も予定しています。日米間では、外交・防衛の首脳会談、2プラス2が来月にも開催される見通しで、要請団は沖縄の思いをしっかり伝えたいと意欲を見せていました。


ストリーミングビデオ-ブロードバンド256Kbps
ストリーミングビデオ-モデム-ISDN40Kbps
琉球新報

環境に配慮を 県、辺野古沖調査で施設局に要請文

 普天間飛行場代替施設建設のボーリング調査でスパット台船が海底のサンゴを破壊した問題で県は28日、事業者の那覇防衛施設局に「作業方法をより慎重に検討して自然環境への配慮に最大限努めていただきたい」という主旨の文書を提出した。文書は昨年12月27日に、施設局が県に出したサンゴの破損状況についての報告書を受けたもの。ボーリング調査中止を求めてきた市民団体は、具体的な改善策の要求が盛り込まれていないと批判している。

 文書はA4サイズで1ページ。「サンゴなどへの影響を回避・低減するよう作業結果に沿って実施したと考えるが、結果として影響が生じている」と指摘し、県が昨年4月、同調査実施に当たって求めた環境配慮事項に沿った作業を求めた。さらに、環境監視結果の報告を速やかに行うよう求めた。

 県環境政策課は「サンゴの破壊は非常に残念だ。しかし、調査地点はサンゴの被度5%未満で計画通り実施されている。事業を行う以上、影響がまったく出ないことはないが、事業者には責任を持って、影響を回避、低減するよう努めてほしい」と話している。

沖縄靖国訴訟全面敗訴 原告団が控訴を決定

沖縄靖国訴訟の判決後、控訴することを決めた原告団、弁護団会議。左端は金城実原告団長=28日午後、那覇市松尾の八汐荘

 28日に那覇地裁(西井和徒裁判長)で言い渡された沖縄靖国訴訟判決。憲法判断が避けられるなど、県内の戦争遺族や宗教家ら原告にとって全面敗訴という厳しい内容となった。原告団と弁護団は同日午後の事後集会で、一審判決を不服として控訴することを正式に決めた。原告らは「ここであきらめたら、戦争賛美の靖国神社への首相参拝を認めてしまうことになる。戦争の道に進ませないために、次の闘いにつなげる」と新たな決意を固める。

 14ぺージ。28日に言い渡された沖縄靖国訴訟の判決文のページ数だ。10回の弁論を重ね、1回の現場検証を実施したことを考慮すれば、あまりにも「薄っぺらな」判決文と言える。A4判の用紙に書かれたその内容を読むと、原告らが求めた「憲法判断」の文字はどこにも見当たらない。「参拝の公私」さえも言及されることはなかった。

 閉廷から3時間後に、那覇市の八汐荘で開かれた原告団、弁護団の集会。「現場検証を実施した成果を踏まえ、違憲判決が出た福岡地裁以上のものを突破できると信じていた」。

 全国各地の訴訟にかかわった丹羽雅雄弁護士は判決結果を原告らに報告後、悔しさをかみしめるように語った。

 「控訴審では沖縄戦の被害だけを主張するのでなく、加害者の立場にたった県民の存在にも触れる必要がある」。あらためて沖縄戦の実相に迫るために「戦時中の天皇制と民衆の関係など、論点を整理する必要がある」と強調した。

 現場検証で戦争体験を証言した原告の男性(65)も「きょうの判決で、かえって無念さが増した」と落胆、「問い続けることに意義がある」と控訴を求めた。ほかの原告からも「戦争賛美の“ヤスクニ化”を食い止めなければならない」との声が上がった。

 原告団長の金城実さん(66)が続いた。「一審は残念な結果になったが、靖国にまつわる問題を多くの人に認識してもらった成果もあった。闘い続ければ、多くの人に戦争の悲惨さを訴え続けることもできる。多くの反省点、課題を踏まえて、控訴審に臨みたい」。このあとの取り組みに決意をにじませた。

沖縄タイムス

議会基地特委も抗議へ/F15訓練再開で嘉手納町

 昨年十月に沖縄近海で空中接触事故を起こした米空軍のF15戦闘機一機が、機体を修理して訓練を再開させた問題で、嘉手納町議会は二十八日、緊急に基地対策特別委員会(田仲康栄委員長)を開き、米軍嘉手納基地第一八航空団のジャンマーク・ジュアス司令官に抗議することを決めた。

 同委員会では、これまでの議会でも議決された「F15戦闘機の飛行訓練中止と同部隊の全面撤退」と、事件・事故の情報を迅速に通報することなどを求める抗議文を同司令官あてに送付する。

 委員会では、パイロットの操縦ミスと結論付けた事故原因の公表前から、事前通告がないままに同機が嘉手納基地から飛行を再開させたことに非難の声が相次いだ。

 また、同問題をめぐり、同基地の広報担当者が二十六日、地元の照会に対し、当初は「事故機は修理中で飛んでいない」と回答していたものを後になって「飛んだ」と訂正したことに「地元への連絡体制が整っていない」と危機管理上の問題点を指摘する声もあった。


1月28日(金)

座り込み285日目
午前6時40分 月を見ながら出航 海人の船2隻と
スナフキン氏登場 第3居住区よりお届けしてます。
住めませんけどね。
空中灰皿
↑熱い人達、総勢60名がテントに参加し、 うち数名はやぐら隊に志願し、 激励船にも!!
10時すぎ、作業船団が来るとの連絡を受け、ハイビスカスの船長も応援に。激励船含み5隻でやぐらを包囲。 やぐら隊も警戒態勢にはいる 10時30分、警戒船、作業船計4隻、ダイバー4名を乗せ現れる。
早速飛び込み警戒する人。昨日はこの場所に作業員が乗り込んできました。 囲まれながらも作業船責任者と交渉 午後、安全灯の交換のみを許可。
○○酔いの船長 ハイビスカスもいつのまにかやぐらに いつもお疲れさんです
気がつけば、そこはい○ばの物置。

激励船の乗員も阻止行動に加わり、続々とやぐらに。総勢14名!!

昼食後、作業船再び。雨も降り始める。 約束の安全灯交換 その後も作業船が帰らないので、引き続き警戒態勢。
雨は降り続き、激励船の人たちもずぶ濡れ。 4時前、作業船が港に戻り、ようやく撤収〜。2時間の予定のやぐら行動の方も、結局最後までがんばってくれました!!
陸へ。 民医連の皆さん、ご苦労様でした。 カヌーもがんばってます。
晋くん日誌
パシィフィックが強行作業。完全に阻止!!!

1月27日(木)
・防衛施設局による違法な強行調査に対して阻止行動を行ないました。

満月が輝く中、辺野古の朝はイソイソと始まります。
どやどやと人が命を守る会事務所前に集まります。全国から届けられているウェットスーツに腕を通して、ダイビングブーツをはく。並べられているライフジャケットはカヌーを漕いで阻止している時からのもの。命を守る会に置かれているものには一つ一つ人の気持ちが込められている。
大事な食料や防寒具はいつも命を守る会代表の金城祐冶さんや手伝いに朝来てくれている人達が用意をしてくれています。水筒に入っているお茶はいつも温かい。
毎朝、船のエンジンの点検などをして出港する。燃料の点検、バッテリー、ポンプに燃料のつまりがないか、ロープは切れていないか。いつでもどんな状況にも対処するためには一つ一つに意識が必要なのだと学ばされます。
得に船は一人一人の命を乗せています。整備はかかせない。

午前7時、辺野古漁港を暗い中で出港。ヤグラへと向かう。
ヤグラに向かう途中に東村、国頭、宜野座、金武、石川の海人達と出会う。手を振って確認する。「今日も頑張ろう。」声は届かないが漁船から声が聞こえる。

今日の状況。私は第四のヤグラを守っていました。
・第一のヤグラ
第一では午前中にパシィフィックコンサルタントが来て「写真を8枚撮らせて欲しい」と申し出て来ました。「それだけなのか」とのこちらの問いにパシィフィックは「このヤグラでは写真撮影だけでその他の作業は今日は行なわない。」とした。
第一にいる海上座り込みの人達や海人は警戒を崩さず、いつでも阻止する体制をとりながら写真撮影を監視しました。

・第二のヤグラ
第二では午前中にサンコーコンサルタントが「腐りかけている鉄パイプ2本を取り替えさせて欲しい」との要求がありました。
「ボーリングに関わる作業は撤去以外全てを認めるわけにはいきません。」と拒否。
国頭から駆けつけている海人かっちゃんが防衛施設局員、作業員に三線を披露。「沖縄の心を知ってほしい」と三線を通して懸命に訴えました。三線を弾いた後に解説つき。「沖縄に沖縄を返しなさいという歌はずっと語り継がれている歌だ。基地によって奪われた沖縄を取り戻すために人々が叫び続けている願いが込められている。ここに基地は作らせてはならない。」と。
三線は辺野古の闘いの豊かさを象徴にしているかのように使われています。阻止しつづけながら大切なものを学びあっていく大切なことがヤグラの上でも行なわれています。

・第三のヤグラ
第三のヤグラは午前中は何もなかったものの、午後になり波が3mにも達し阻止船を一度ヤグラを離したと同時にパシィフィックが乗り込み、作業の強行をしてきました。
足場板を無理やり敷こうとしたのです。
第一のヤグラに張り付いていた阻止船がすぐに応援に向かいました。撹乱のために作業船の一部が第一に向かうそぶりをみせたりしていましたが、応援に駆けつけたフィリィア号はそのような撹乱には惑わされずに第三ヤグラの阻止行動に参加。
座り込みの人達が合計6名、作業員は合計7名での入り乱れての攻防戦となりました。
足場板を作業船から上げようとする作業員。足場板にしがみつく座り込みの人々。ヤグラの上部にはすでに足場板が乗せられており、作業員数名が上がりこみ足場板を敷く作業を強行しようとする。座り込みの人達が板にしがみつき止めに入る。
30分に渡る攻防の結果持ち込もうとした足場板を撤去させ、完全に作業を止めました!!第三の座り込みの人達すごい!!

・第四のヤグラ
私が守っていた第四のヤグラではサンコーコンサルタントの作業船4隻が来るものの写真撮影をするだけで終わっています。

今日、この頃ヤグラでは海人達から私達が指導を受ける方が多くなっています。
ヤグラから撤収しようとする時も「待て!もうちょっといよう。」とか「ロープのかけ方をこうしてあーして」とか。色々です。海人が本気になるとすごい。

今日も完全に阻止!!!
沖縄タイムス
<2005年1月28日 夕刊 1・6面>

原告側の全面敗訴/沖縄靖国訴訟
参拝の公私・違憲性 示さず

 二〇〇一年八月と〇二年四月の小泉純一郎首相の靖国神社参拝は違憲で、参拝により精神的苦痛を受けたとして、沖縄戦の遺族や宗教者ら九十四人が首相と国を相手に一人十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁(西井和徒裁判長)は二十八日午前、参拝の公私や憲法判断を避け「参拝によって原告らの法的権利と利益が侵害されたと認めることはできない」と述べ、原告側の請求を棄却、原告全面敗訴の判決を言い渡した。原告側は福岡高裁那覇支部に控訴する方針。

 小泉首相の参拝に対する訴訟は全国六地裁で起こされ、判決は六件目。公私と違憲性のいずれの判断も避けた判決は昨年三月の松山地裁に続き二例目。

 原告側は、小泉首相の参拝は政教分離を厳格に求める原告らの権利や信教の自由、宗教的人格権、平和的生存権などを侵害すると主張した。しかし、西井裁判長は判決理由で「政教分離規定は制度的規定であり、法律で保護された具体的な権利や利益とは認められない」などと、いずれも退けた。

 原告側は皇民化教育の末に多大な被害者を出した沖縄戦、その後の合祀をめぐる仕組みから、参拝による被害性を重点的に訴えた。

 西井裁判長は沖縄戦遺族が主張した精神的被害について「集団自決を強いるなど県民に加害者とも受け取られる旧日本軍の関係者とともに合祀され、参拝の対象とされたことの精神的苦痛は、単に靖国神社のあり方に疑問を呈する者に比べ、より具体的に理解し得る」と述べたが、「個別の事情を考慮しても特別に扱うべき理由はない」と述べた。

 池宮城紀夫弁護団長は「不当判決で許しがたい。本来判断される個所が『一切判断する必要がない』という結論で、靖国訴訟の中で一番恥ずかしい判決だ」と裁判所の判断を批判した。国側は「勝利と認識する」とだけコメントした。

 判決によると、小泉首相は〇一年八月と〇二年四月に公用車で靖国神社に参拝。「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳した。

判決骨子

 一、首相の参拝で原告の権利、利益が侵害されたとは認められず、請求は理由がない

 一、政教分離規定は信教の自由を直接保障するものではなく、参拝は信教の自由を侵害するとは言えない

 一、宗教的人格権は法が具体的に保護する権利、利益とは認められない

 一、憲法の平和的生存権は抽象概念であり、侵害されたとして法的救済を求めることはできない

[解説]/遺族訴えにも消極的

 沖縄靖国訴訟は、沖縄戦の被害者遺族らが、侵害された精神的苦痛の立証を重ねた特徴を持っていた。しかし、判決は、原告が期待した憲法判断どころか、参拝が首相の公私のどちらにあたるかの判断すらせず、「具体的な権利は侵害されていない」という形式的な言葉で切り捨てた。

 公私の判断は、「国家賠償法上の職務行為に当たる」かどうか、憲法判断を導く前提となる。小泉首相の靖国参拝訴訟で判決が出たのはこれまで五つあり、私的とした大阪地裁判決と、判断しなかった松山地裁判決以外の三訴訟は、いずれも公的と認めていた。

 直近であった昨年十一月の千葉地裁判決が、首相の姿勢を厳しく批判していただけに、公私の判断を避けた那覇地裁判決は、原告らにとっては「全国でも最低水準」といえる。

 沖縄訴訟で原告側は、沖縄における皇民化教育の強制と徹底、行き着く先の沖縄戦の多大な被害などの歴史を交えて訴えた。原告らがなぜ、参拝を「死者への冒涜」と感じるかについては、死生観など総合的に理解しないと判断できないと考えたからだ。

 昨年九月には、過去四十年間の靖国関連訴訟で初めて裁判官が法廷を離れ、南部戦跡で戦争体験者からの聞き取りを那覇地裁は行った。判決にどう影響されるかが焦点で、全国の注目も集まっていた。

 しかし、この点についても、判決が示したのは極めて部分的。沖縄戦の住民被害者は、県民に加害者とも受け取られている旧日本軍関係者との合祀されることから来る苦痛の一部分で、「精神的苦痛」が、「単に靖国神社のあり方に疑問」を呈する人より「より具体的に理解し得る」とするだけだった。

 憲法や公私の判断だけでなく、真摯に訴える遺族に対しても消極姿勢を取る司法には、強い疑問が残る。(社会部・溝井洋輔)

[ことば]

 靖国神社 明治維新直後の1869年に東京招魂社として設立。1879年に靖国神社と改称され、天皇に忠誠を尽くした戦没者を「英霊」として祭り、軍直轄の神社として戦前の国家神道、軍国主義の精神的支柱に。現在は太平洋戦争までの約247万人を合祀。戦後は政教分離により宗教法人となったが、1969年以降、国営化を求める法案が国会に提出されるなど、国家護持に向け活発化した時期もあった。小泉首相は2001年の自民党総裁選で参拝を公約。年1回参拝してきたが、中国など内外から強い反発がある。

沖縄靖国訴訟で判決が言い渡された那覇地裁101号法廷=28日午前10時13分(代表撮影) (写真説明)沖縄靖国訴訟で判決が言い渡された那覇地裁101号法廷=28日午前10時13分(代表撮影)

     ◇     ◇     ◇     

判決要旨

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる損害賠償訴訟で、那覇地裁が二十八日、言い渡した判決の要旨は次の通り。

 【政教分離違反】政教分離規定は制度保障の規定で、信教の自由そのものを直接保障するものではない。国家と宗教との分離を制度として保障することで、間接的に信教の自由を保障しようとするものであり、政教分離規定が個人の人権も直接保障しているという原告の主張は当たらない。「国に政教分離を厳格に求め得る権利」を法律で保護された権利ないし利益と認めることはできず、利益を侵害されたとして損害賠償などを求めることはできない。

 【信教の自由】信教の自由の保障は、国家の公権力によってその自由を制限されることなく、不利益を課せられないとの意味であり、信教の自由が侵害されたというには、少なくとも信教を理由とした国家の不利益な取り扱いや強制が必要。小泉首相の参拝が原告らに不利益な取り扱いや強制などをしたとは認められない。

 【宗教的人格権】原告らが宗教的人格権として主張する「日常の市民生活において平穏かつ円満な宗教的生活を享受する権利」は、内容的に極めて漠然としている。このような主観的感情の在り方を法律上保護された具体的な権利ないし利益とは認められず、利益を侵害されたとして損害賠償などを求めることはできない。

 【平和的生存権】憲法は前文で恒久の平和を念願、全世界の国民が平和のうちに生存する権利を確認することをうたう。しかし、この平和的生存権は、理念ないし目的としての抽象的概念。権利としての具体的内容を有するとは言い難く、国民の具体的権利ないし利益が保障されていると解することはできず、直ちに損害賠償請求などの法的救済を求めることはできない。

 【原告らの権利、利益の侵害】原告らは、わが国で唯一民間人を巻き込み地上戦が行われた沖縄戦をじかに経験、戦火から逃げ惑う中で肉親を失った。そして死亡した肉親が特に軍人、軍属でなかったにもかかわらず、沖縄県民にとって加害者とも受け取られている旧日本軍関係者らとともに靖国神社に合祀され、首相参拝の対象にされたことで、原告らの感じる精神的苦痛については、単に靖国神社の在り方に疑問を持つ者に比べ、より具体的に理解し得る。

 しかし原告らが戦没者への思いをめぐらせる自由とは、既に述べた宗教的人格権にほかならず、これを被侵害権利として直ちに法的救済を求めることはできない。沖縄戦で肉親を失った原告らについて個別の事情を考慮しても、特別に扱うべき理由はない。

<2005年1月28日 夕刊 7面>

「血も涙もない判決」/沖縄靖国訴訟
沖縄戦問う原告訴え届かず

 「沖縄戦で肉親を失った原告らを特別扱いする理由はない」。沖縄戦の遺族らが小泉純一郎首相と国を訴えた沖縄靖国訴訟で、那覇地裁は二十八日午前、原告らの請求を退けた。憲法判断に全く踏み込まず、参拝は公的か私的かさえ見解を示さなかった。那覇地裁による南部戦跡の検証を高く評価し、期待を抱いていた原告らは「血も涙もない判決だ」「現場検証は何だったのか」と怒りをあらわにした。一方、県遺族連合会は「われわれの全面勝訴。当然の判決だ」と笑顔を浮かべた。

 那覇地裁の法廷。原告側の席には二十人が座り、緊張の面持ちで判決を待った。

 午前十時十分。静まり返った法廷に、判決を読み上げる西井和徒裁判長の声が響いた。

 「原告らの請求をいずれも棄却する」

 声もなく天井を見上げ、くちびるをかみしめる原告たち。傍聴席からは大きなため息がもれた。報道陣が、慌ただしく法廷を出入りした。

 沖縄靖国訴訟は、全国各地の靖国訴訟とは異なり、原告側が沖縄戦と靖国神社の役割を中心に違憲性を主張してきた。

 「沖縄戦で死亡した肉親が、日本軍関係者らとともに合祀され、参拝の対象とされたということで、原告らの精神的苦痛は具体的に理解しうる」。西井裁判長の言葉にうなずいた原告らだったが、判決は厳しかった。

 判決言い渡しが終わり、西井裁判長らの姿がなくなっても、原告らはしばらく席を立たなかった。

 「ペテンだ」。原告の一人が叫んだ。「血も涙もない判決だ」「現場検証は何だったのか」

 原告や支持者らの声は怒りに満ちていた。

い」とあらためて参拝支持の立場を示した。

「戦跡視察何だったか」/証言者ら声詰まらせ

 「炎天下の摩文仁で、思い出すのもつらい沖縄戦の体験を証言したのは何だったのか」

 小泉首相の靖国参拝の憲法判断を避け、原告の訴えを退けた二十八日の那覇地裁判決に、原告や証言者らは怒りをあらわにした。

 判決後、那覇地裁前で会見した金城実原告団長は「全国の靖国訴訟の中でも、最も不当な判決だ。現場での証言を、裁判官はピクニック気分で聞いていたのか。司法としての誇りはないのか」と吐き捨てるように言った。

 沖縄戦体験者として九月、糸満市摩文仁で証言に立った瑞慶覧長方さん(72)=大里村=は「現場で話を聞いてもらい、期待していた。血も涙もない機械のような判決だ」と目に涙をあふれさせた。「戦争のむごさに対し、せめて一言でも『ノー』と言ってほしかった。悔しい」と言葉を詰まらせた。

 支援者らへの報告集会で、丹羽雅雄弁護士は「現場の様子では、裁判官は証言を受け止めてくれていると思っていた。思わせぶりで行っただけなら許せない」と憤った。

極めて妥当と評価/県遺族連合会

 小泉首相の靖国参拝を支持する県遺族連合会や宗教団体の関係者らは判決後、那覇市内の波上宮で報告集会を開き、原告の請求を棄却した司法判断を歓迎した。

 約四十人が参加。判決を解説した日本大学法学部の百地章教授は「沖縄の土地柄が、妙な形で裁判官に影響を与えるのではないかと心配したが、原告の思いに迎合することなく、極めて妥当な判決だ」と評価。沖縄の歴史を踏まえ、首相の靖国参拝に精神的苦痛を受けたとする原告の訴えと法的利益の侵害は別問題だと主張した。

 県神社庁の末安大孝庁長は「亡くなった人に心を尽くす日本人としての美風をなくしたくない」とあらためて参拝支持の立場を示した。

沖縄靖国訴訟で入廷する原告団=28日午前10時すぎ、那覇地裁 (写真説明)沖縄靖国訴訟で入廷する原告団=28日午前10時すぎ、那覇地裁

琉球新報

住民2人が精神的疾病 米軍ヘリ沖国大墜落

 昨年8月に起きた米軍ヘリ沖国大墜落事故で、事故現場周辺住民2人が、事故が原因の「精神的疾病」と診断され、那覇防衛施設局に治療費など損害賠償を請求、日本政府と在日米軍は日米地位協定18条5項に基づいて補償金を支払うことで27日までにほぼ合意した。既に補償額の査定も終え、支払いに向け最終調整している。補償金はいったん日本側が全額を負担し、米側にその75%の償還を求める。

 施設局によると、米軍関係者の公務中・外の事件、事故による心的被害への補償については、被害者の遺族に対し慰謝料が支払われる例があるが、「精神的疾病」を理由に治療費などを補償するのは初めて。

 これとは別に、施設局と宜野湾市が事故現場周辺住民を対象に昨年11月24日から12月19日にかけて実施した「心の健康調査」でも、2人が今後心的外傷後ストレス障害(PTSD)にならないよう経過観察が必要と診断されていた。

 施設局はこの2人については、現在のところ補償金支払いの対象外と見ているが、今後精神的疾病と診断されれば補償手続きを取る方針。

 施設局などの調査は宜野湾市宜野湾、沖国大近隣の132世帯(281人)を対象に実施する計画だったが、実際には保健師による面接調査が可能だった89世帯(199人)について実施した。

 精神的疾病と診断され賠償請求した2人は調査予定者にも入っていなかった。施設局によると、2人は事故現場周辺に住み、ヘリ墜落事故が原因で精神的ショックを受け、医療機関で精神的疾病と診断され、個別に那覇防衛施設局に賠償請求した。

 施設局は「事故との因果関係が確認されれば、疾病として完治されるまでの間の治療費等について補償することとしている」と説明している。

<ニュース用語>日米地位協定18条5項(民事請求権)

 在日米軍の軍人らが米軍基地外で起こした公務中の事件・事故で、日本政府以外の第三者に損害を与えた場合の賠償請求権などを定める。被害者から防衛施設局が損害賠償請求を受け、内規に従って補償額を査定。防衛施設庁が在日米軍と協議して決定する。米軍に責任がある場合は、日本政府が25%、米側が75%を分担。補償決定後、当面は日本政府が100%支払い、後に米負担分の償還を求める。

不安解消まだ必要 市民「当然」と冷静

 米軍ヘリ沖国大墜落事故による精神的疾病の治療費(自己負担分)を、日本政府と米側で全額補償することについて、地元の宜野湾市の関係者は「当然の対応」と冷静に受け止めた。また、診断結果以上に市内には今も事故の影響が残る状況を訴え、「物心両面から不安の解消がまだ必要だ」との意見が上がった。

 伊波洋一宜野湾市長は「今回の認定は、事故後の市民の不安を象徴的に表している」と指摘。「多くの市民が、ヘリだけでなくバイクの音に対してさえも、不安を抱くようになっている。二度と上空で旋回飛行が行われないための措置を講じるよう、さらに日米両政府に訴えていく」と話した。

 宜野湾区自治会の仲村清会長は「調査が全体を網羅しているかについては、気がかりな面はある。心的被害者には、あらゆる面で補償を行ってほしい」と要望した。

 自治会では昨年12月にも、班長が各戸を回り聴取。「事故後は仕事もままならず、経済的な影響を受けたと訴える声は多い」と述べ、被害救済の継続を訴えた。

 沖縄国際大学の黒島安武事務局長は「政府が治療費を支払うことは当然だ。むしろもっと早く対応するべきだった。大学も現在、教職員、学生を対象に事故による精神的ストレスの状況を調査している。中間的な報告では、ストレスを受けている職員がかなり多くいると聞いている。調査結果の詳細を待って、損害賠償を含め、対応を取っていく」と話した。


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