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2005年 05月15日(日曜日 夕)

5・15 普天間包囲行動

復帰の日のきょう普天間基地の早期返還を求めて２万3000人あまりが人間の鎖で基地を取り囲みました。

ことしで４回目となる普天間包囲行動には過去最多となる２万3000人余りが参加し、平和行進の参加者や地元の人たちが基地の無い平和な島の実現を訴えました。

また、去年ヘリが墜落した沖縄国際大学でも多くの学生が参加し普天間基地の無条件返還や平和憲法の改正反対を訴えました。

　包囲行動後、山内徳信実行委員長は「普天間飛行場の即時閉鎖・返還が市民、県民の心からの願いであることが内外に示された。大成功だと宣言する」と成果を強調。「この勢いで返還実現を勝ち取ろう」と参加者に呼び掛けた。

　同飛行場の包囲行動は一九九五、九八、二〇〇四年に続き四回目。今回のスローガンは「普天間」返還に加え、計画が進められている名護市辺野古沖や新たな移設先として浮上している下地島、伊江島、嘉手納基地など、すべての県内移設に反対する姿勢が盛り込まれた。

　前回を約八千人上回った参加者は、午後二時十五分から包囲を三度実施。一回目から“輪”を完成させ、歓喜のウエーブがわき起こった。米軍ヘリ墜落事故の被害住民や沖縄国際大学の学生らもフェンス際に駆け付け、手を取り合う姿が見られた。

　日米両政府は一九九六年、県内移設を前提に普天間飛行場の「五―七年以内の返還」に合意。日本政府は九九年、名護市辺野古沖移設を閣議決定したが、根強い反対運動で移設作業は難航している。進行中である米軍再編の日米協議で、同飛行場の返還は最重要課題に挙げられている。

［ことば］

　普天間飛行場返還問題　１９９５年の米兵による暴行事件を機に、日米両政府は９６年４月、普天間飛行場返還に合意。国と県は２００２年７月、名護市辺野古沖を埋め立て、代替施設として全長２５００メートルの軍民共用空港を建設する基本計画を決定。だが反対派住民の阻止行動で代替施設建設に向けた海底地質調査は難航している。

　主催者の山内徳信実行委員長は「私たちは歴史的な闘いを進めてきた。世界一危険だといわれる普天間飛行場を人間の鎖で包囲し、日米両政府に思いの丈を突きつけた」と語り、「沖縄の闘いは国民ぐるみ国際ぐるみに広がっている。これからも憲法を守り、平和な沖縄、日本を創造していくために頑張ろう」と参加者に訴えた。

　連帯あいさつした伊波洋一宜野湾市長は「日本復帰から三十三年、沖縄戦から六十年という節目の年に、普天間基地包囲行動が大成功を収めたことは、普天間飛行場の撤去、沖縄の基地負担の軽減に大きくつながっていくものだと確信している」と述べた。

　その後、又市征治社民党幹事長、喜納昌春社大党委員長、志位和夫共産党委員長、岡田克也民主党代表や労組代表らがあいさつし「普天間基地の返還」などを訴えた。

　会場では、米軍普天間飛行場の代替移設に伴う名護市辺野古沖でのボーリング調査に反対する住民らへのカンパとして、約百三十五万円が集まった。

　また十三日から三日間行われた「５・１５平和行進」（主催・同実行委員会）は、延べ約八千人（主催者発表）が参加。うち県外参加者は約千八百人（同）。県民大会には「平和行進」三日目に参加した約二千六百人の大半も参加した。