社会

住民「身勝手」と怒り　米軍機早朝離陸

　住民生活無視は許せない―。３日未明に地域に爆音を響かせた米軍嘉手納基地からのＦ１５Ｅ戦闘爆撃機離陸で、同基地報道部が「騒音防止協定内」との見解を示したことに、地域住民や市民団体などからは反発の声が上がっている。「深夜から未明にかけては原則として飛行は行わないはずだ。完全な協定違反だ」と米軍の身勝手な解釈に怒りをあらわにする関係者が多く、「米軍のやりたい放題に県民の我慢も限界だ。国がきちんと対応するべきだ」と民間地域にまで被害が及ぶ騒音を放置する日本政府を批判した。

　嘉手納基地に隣接する嘉手納町東区自治会の島袋敏雄会長は「３日未明の離陸時には起床しており、騒音がかなりうるさく響いていた」と振り返り「米軍基地が最優先で、地域の生活はないがしろになっている。訓練を優先する現状は困る」と住民優先を求めた。
　新嘉手納爆音訴訟団の仲村清勇原告団長も「住民の意見が無視され続けている」と憤った。仲村さんは「午後１０時から早朝６時までは原則として飛行はないという騒音防止協定がある」と指摘した上で、「協定は全く守られていないという認識を持っている。地域住民の負担軽減につながる協定であり、米軍のやりたい放題を認めるものではない」と強調。「いつでも飛行できるのならば、住民の心理的負担はさらに大きくなる。住民の暮らしや健康にかかわる重要な問題なので、日本政府も協定順守をきちんと要請するべきだ」と政府の対応を求めた。
　沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「米軍は金武町の都市型戦闘訓練などすべての訓練を協定内と判断しており、住民保護ではなく、米軍の訓練自由化を担保するような内容になっているのではないか」と協定内容を疑問視。「基地周辺の住民にとっては死活問題になりかねない。抗議の声を強くしていきたい」と述べた。